A Guide To Succinic Semialdehyde Dehydrogenase Deficiency
コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症ガイド


AADC欠損症ガイドブック

PND Association
小児神経伝達物質病協会


“Hope For Tomorrow Begins Today”
「明日への希望は今日から始まる」

PND Associationは神経伝達物質の代謝に関連した病気の子どもとその家族を支援する非営利組織です。私たちは教育、支援、研究によりすべての神経伝達物質病の同定と治療を約束します。
私たちは家族、医師、研究者、および他の健康管理の専門家とともに、以下の促進のために活動しています:




神経伝達物質とは何ですか?

神経伝達物質は、神経の興奮または抑制のため神経インパルスの間に放出される化学物質です。運動協調、行動、体温、痛み伝達、および血液循環の調節に、たくさんの神経伝達物質が身体中で同時に働いています。
私たちの支援する疾患に関連している神経伝達物質は、カテコールアミン(ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン)、セロトニン、およびγ-アミノ酪酸(GABA)を含んでいます。


小児神経伝達物質病とは何ですか?

「小児神経伝達物質病」(PND)は、神経伝達物質の合成、代謝、および異化に影響する遺伝子疾患の総合的な名称です。これらの先天代謝異常症は子どもたちの中枢神経系に影響します。
現在PND Associationは神経伝達物質と関連した以下の疾患を対象としています:


コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症とは何ですか?

コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Succinic semialdehyde dehydrogenase deficiency: SSADH)欠損症とは、主要な抑制性神経伝達物質であるγアミノ酪酸(Gamma-aminobutyric acid: GABA)の分解に関与する酵素の欠損によるまれな代謝異常症です。GABAはヒトの動作を制御しており、そのバランス変化により、神経学的異常が出現します。SSADH欠損症においては、神経伝達物質により正しくシグナル伝達されることが妨げられます。

SSADH欠損症の患者では酵素が欠損しており、4ヒドロキシ酪酸(4-hydroxybutylic acid)もしくはガンマヒドロキシ酪酸(gammahydroxybutylic acid: GHB)という異常な化合物が集積します。GHBはGABAに似た神経伝達物質であり、高濃度ではヒトにおいて神経活動を調整するようです。GHBの集積は患者さんの脳内において情報の集積と処理に影響を与えます。

SSADH欠損症の症状にはどんなものがありますか?

SSADH欠損症の症状は、軽度、中等度、重度まであり、患者さんにより大きく異なります。SSADH欠損症の症状は脳内へのGHBの集積が原因となり、下記の症状が含まれます。

(*定義 一般的:患者さんの70%以上、 頻繁:患者さんの30-70%、 まれ:患者さんの30%以下)


何がSSADH欠損症を引き起こしているのですか?

SSADH欠損症は常染色体劣性遺伝病です。劣性遺伝病とは、子どもが両親からひとつずつの疾患の遺伝子を引き継がない限り、発症しません。正常な遺伝子ひとつと疾患の遺伝子ひとつを受け取る子どもは疾患のキャリアになりますが、通常は発症しません。両親ともキャリアの子どもが発症するリスクは25%で、リスクは各妊娠時同じです。


どんな人がSSADH欠損症になるのですか?

SSADH欠損症は男性、女性同様に発症します。世界中でおおよそ350人の患者さんが診断されています。しかし、多くのSSADH欠損症の患者さんが診断されていない、あるいは誤って診断されていると推測されています。


SSADH欠損症はどのように治療されますか?

現在のところ、SSADH欠損症に対する一般的な効果のある治療法は確立されていません。今後、遺伝子治療や幹細胞移植がこの病気の治癒をもたらすことが期待されています。最近では、下記の治療が試みられています。

  • 【ビガバトリン(本邦未発売)】
  • 薬理として、GABAトランスアミナーゼを不可逆的に阻害し、脳内にGABAを集積させます。この治療には効果のある患者さんとない患者さんがいました。また、副作用のため患者さんによっては使用できませんでした。
  • 【ラモトリギン(商品名:ラミクタール)】
  • 薬理として、グルタミン酸脱炭酸酵素を阻害することにより、興奮性アミノ酸でありGABAの前駆体であるグルタミン酸の放出を妨げます。ラモトリギンは少なくとも1人の患者さんにおいて副作用なく効果が得られました。
  • 【NCS-382拮抗薬】
  • 本薬剤の臨床研究は保留中です。

    これらの薬剤以外に、プロザックやリタリンが行動異常の抑制を目的として処方されています。言語、理学、作業療法は強く推奨されます。

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